痩せ迷う妖精 2
木の若芽

よい花を見ました 小さなことが心のためになる 神さまは小さくてよいのです どうか私の中にいてください ちっぽけな私のちっぽけな心の中に いられるくらい小さい神さまでいてください あの花があなただったのですか 人の愛をこの身に受けなくても 少しずつ ときどき 人のやさしさを分けてもらって 私は心をパラボラアンテナにして 世界の自然と宇宙の愛をこの身に受ける いっぱいに いつも 人の心はうつりにけりな いたずらにあやしくて 宇宙の気まぐれは大らかだよね 私をゆだねてだいじょうぶ 人から愛されることはおろか 私が人を愛することも 信じられないけど 疑るわけでもない それが至上のものだとはもうよもや 思わない気楽さに 今安らいでいる 不思議に悲しみはやわらいでいる 昨日ほど痛くも苦しくもない 白鳥や子供が死んでしまう物語を 美しく感じてくり返し読める気持ち これ以上言うわがままはない ほんとの素直に憧れて 紙切れ一枚ふっと吹く 人のさりげないしぐさの間で 長い間とどこおっていた 私の気が流れ始めた 嘘のように 年齢はもう 自分で決めてしまえるもの 時は時計のはやさではめぐらない 見える聞こえる この気の流れるはやさ 空梅雨をうるおす雨の日 自転車を譲り受けた 走ると風が起き 雨に洗われた風で 私の心も洗われ 祝福しようよ その新鮮なうるおいを感じることを 町にいる人々 来る人 いる人 行く人 交差する幸せ 渦巻くさびしさ みんなちがうの 幸せは明日はわからないの さびしいならがんばろうよ 私は言える 何か 言葉をかけられるようになった気がする おなかすいてきたね 涼しい曇りの七夕に 着たティーシャツは新しい ジーパンもいい気持ち おみやげにおまんじゅうを買って帰ろう ドレミファソと歌って 3時のお昼ごはん お好み焼きのキャベツと豚肉の 天の川 雨が降ってもきっと会えるよ また誰か ほらお茶が苦くなっちゃったよ いいの 苦いお茶も好きだから 坂のとこのばらは 涼しくても暑くても 次々に咲いていく 雨になった夜 やさしい本閉じて 妖精たち さよなら 夢の香りはずっと残るよ 忘れない はしっくれの天使にくらいなれるかな 星の見えない夜がつづくけど 心を星へとめぐらせる これって祈りってことかしら はしっくれの天使にくらいなれますように 勢いだけはよかった風が凪いだ 陽がさしてくる気配だ ほら 空を見てよ おっかなびっくり土が動いてる 何がのぞき出すのかな 季節が変わるよ 神さまが私だけにくれた チャンスという季節なんだ 宇宙と私のリズムが合う 風が凪いだから いつもは悲しくなるのだけど この二日雨がつづき 癒しと恵みを秘めふくんだ雨 世界はこの雨をどう感じているか それを思いやりたくなる やさしいグレーに空はおおわれ 眠たくてたまらなくなる雨音に心をまかせて ずっと横になっていると いつもは悲しくなるのだけど 世界も私も宇宙に浮かんでつつまれている それを思いやりたくなる 雨のグレーは銀色だった 私の瞳が変わったのだろうか かすかに輝いている 大事なメッセージだ 海の絵 たくさんの海に揺られて ビルの上の美術館は箱舟 いつか晴れた浜辺を裸で思い切り走るのだ その姿が似合う私になりたい 瞳は銀色だった新しい雨を見ながら 箱舟の向かう未来を探している 夏の風 未来をおくれ 夏の光 未来をつくり出す力をおくれ 踊って 体を洗って そして夜 もう過去を振り返らない 夏の夜 未来を夢描くすこやかさをおくれ 新しい振り子が天から下がってきた 今までとは違う時が ゆっくりと振れ始める 私だけのものはこの世に何ひとつない 振り子は私を通り過ぎ 世界をめぐって ゆっくりと振れつづける コバルトブルーの空気の海に波を立てながら 夕方 お米を洗い 庭に水をまき じゃがいもとわかめのみそ汁を作る わたしにも そんなやさしさがある 少しうすらいだ不安の中に立ちすくまないで 何も見下ろさない位置を探そう 手のひらに小さな食べ物をのせた時に感じる つつましいやわらかいあたたかいやさしさを わかる心が私にもある 雷にふるえる窓に寄り添って 雨と風を見ている こわいけど 妖精 どこ行っちゃったかな 暑さでだるくなった体と心に 気合いを入れてくれるんだ 停電に一瞬 目に見えないものたちが揺らぐ 妖精の狂喜した笑い声に 増幅された雷 めまいする夏が来て 痩せた体は パワーを欲しがる つとめてがまんしない 汗ばんで眠る午睡 つとめて自信を忘れる かすかな風が欲しい読書 明日どうなるかわからない命だもの 大切にしてもいいけど 捨ててしまってもいいんじゃないか どうせ死ぬんなら狂って死にたい こう考えるのは暑いのをやせがまんしているせい クーラーをつけると少し落ち着く だけど私は死ぬまで植物 以前よりの望み通りじゃないか ぐったりしたハーブが夕立で元気になった 私も雷と雨に撃たれたい 刃物よりもピストルの方がいい UFOの夢はマンダラの化身と考えちゃ思いちがい? 数学の美しさ 数学のまったくわからない私の醜さ またUFOの夢のつづきを見て 連れ去られて血を吸い取られて 朝には干からびてベッドの上に発見される 決して消えない自殺願望 今すぐではなくても 時がくれば それは罪ではなくなるのではないかしら やさしいバンシー 自殺した女はそう やさしく悲しく歌い泣くバンシーになるんだろう 暑さに気が狂ったふりをして 犯罪を犯してみたらどうだろう 暑さでだめになった百合の花のように 勇気も夢もない 幻だけだね 私を保てるのは 未来のある子供が 泳いでぬれた髪で帰っていくのを憎んでいる 生きたくて あの人と別れたのではなかったのか きっとあの人のそばでは 生きられもせず 死にもできなかったのにちがいない 別れた今なら 死ぬこともできるようになったのだ 生きたかったのか それさえもうわからない この暑さの中 子供たちは汗びっしょりなのも平気でいる 明日、手首を切れる? いやその前に 蔵の中のワインを全部飲もう そうすれば楽しく笑って手首を切れる 蔵の中にあるのは白ワインばかり 同じだけ赤ワインもなくちゃいけない 妄想の夜を消してくれた 私への声 呼びかけ話しかけ誘いかける わざと暗い部屋に小さなあかりだけつけて 影絵人形になった私を動かすように 電話という神秘のベールの奥から 私への声が 呼び起こし語り起こし誘い起こす ディズニーの新発売のビデオを買いに 一人の家を出て 自転車をこぐ 笑顔とっておいたの 私だって笑うんだ 一度咲き終わったばらの小さな木に また赤いつぼみがついたんだよ とうもろこしのすこやかな粒 ひまわりの明るい顔 私の少し元気になった心 もう少しでオリンピック もう少しで夏休み 町はあんなににぎやか 今戻りたいのは中学3年生のときの私 笑いながら部活帰り歩いてるセーラー服のあの子とすりかわれ 私が天使になる方法がある 笑っちゃう 悪魔の下っぱの醜いゴブリンのような私が ええっ 硬い笑みをやさしくほどいて 笑っちゃう オクラをおいしくゆでておひたしをつくること 雨上がりの夜は気のすすまなかったオペラもいいと思うだろう 物干し竿は楽譜で水玉の間隔は音符 ラジオのメロディーに体を揺らす 雨のあがった昼の空には 薄手のウールのような雲が浮かび 首をそり返して見上げると ぐんと心は無邪気になる 足をばたつかせながら ディズニーの歌うたうよ まるくふくらんだつぼみのために なぜだか今日は落ちこんでない どこにも行かなくてもおなかはすく 姿形を忘れて インドの歌きくよ 裸になる私のために 島の影絵芝居が見たい 自分の心の中を見るように 生きて死ぬのは同じなんだから 夕方のお菓子ひとつを悪と思わない 食事のしたくをしたことを善と思わない 島の影絵芝居を見るように 自分の心の中が見たい 秋頃になったら 今度はスーパーマンが夢の中に出てきたのに 毎日は気が遠くなるほど夢とまったく違うところにある 咲きかけがいちばんきれいだよ だからそのまま止まれ ばらのつぼみ 夜の9時に自転車を走らせると 外灯が景色を消してくれて 自分の無意識の底まで行ける スーパーマンが笑って腕を広げて待っている ピンクの空に薄黄色い雲の 夕立の来る前 また雨の中出かけるのだ ないもののために さっき 歯ブラシだけを買いに行った だけど数学はいつからやろうか 時間も年月も中毒にかかって 目盛りのない計りで計りとる 天から降るモルヒネを 1ミリ伸びた爪で テキストの英語をかきむしり 私の決して美しくない言葉とごちゃ混ぜにする ふざけてるんじゃないのに いっしょうけんめいやってもそうなってしまうことって 誰にでもあるでしょう 新しいことじゃない きっと誰もがもうやっている 1ミリ伸びた爪で ものをしゃべらずに育った 心を開かずに 緑の木しか私を知らない いつか水平線にも 心を開いたことがあったっけ でも海の彼方の寒流に乗ってくる 大きな鮫に襲われる夢で目が覚めたら いつも起きる時間を30分以上過ぎていた 次の夢で鮫に食べられて 私はようやくその腹の中で しゃべり出せる 冷たい愛情 それよりはあたたかいがやはり表面は冷めた愛情 熱々のできたてのスープのような愛情を飲んだ覚えがない もちろん私の抱ける愛情もなまぬるい 今夜熱々のシチューを作っても 誰もいない さびしいよ さびしいよと 叫んで助けを求めたいのに 誰もいない 誰もいない パンを売りたい おいしいケーキを運びたい 笑えるのか 大きな声が出るのか やさしくなれるのか わからなくなってる自分はいや 朝も昼も夜も 夏でも冬でも すべてを愛する力がまだ私にあるのかどうか 知りたい 私は タロットカードのフール 何も知らない すてきな映画を見ても 愛せない 人を 愛は幽霊の一種 妖精 気ちがい フールにジョーカー 私の真の友達 愛しいほんとの友達 30年のゲーム 勝ち負けもなくなるくらい 長すぎたこのゲーム さあカードをまとめて こまをかたづけて 夕方風が涼しくなると足踏みしだす 夏草の中を 女が一人 えのころ草に ほほえんで いつも一人 夏の陽ざしにやかれそうなバジルの鉢や近くの木や空を見て そしてこの頃は自分の吐いて吸う息を眺めるのが好き フルーツジュース アイスコーヒー シナモンシュガーのパイ みんな魔法の食べ物なの メアリー 私に教えて 食べ物にかける魔法を 笑ったり浮いたり 花としゃべったり できるように おでこにハッカ油 肩と胸にはゴマ油 足にはオリーブ油を ショウガとレモンを交互にかじり カルダモンの香りのお茶を飲み 暑さに弱いハーブに 霧吹きで水を1時間半ごとにあげる 首をかしげましょう すべてに「なぜ?」と 答は求めず 宇宙に解き放つだけ たくさんの私の「なぜ」 笑いましょう 微小のクエスチョンマークが集まってできた笑みを 旅、恋愛、結婚 私もかつてしたけれど 今は宇宙と緑だけ 人は波 世界は煙 幸せはときどき いつも感じるのは 宇宙と緑だけ 夜のバス停 最後の便が 疲れたときめきともして来た 一番前の席にすわる 明日のことをちょっと前向きに考えながら 暑い夜に私を貫く力 さっきの笑顔を忘れず 新しい外国絵本を抱えて 夕べのことは忘れるんだ 朝から扇風機に吹かれて 今日の夕方のことは考えないんだ 遠くの鳥の声を聞いて 今朝のごはんは母が作ってくれる 私は飲みものの準備をするだけ 魔法使いのおばあさんに会いに行く約束をしている日曜日 涙は生きてるしるしになるの 悲しい涙を流したよ それも生きてるからなの お月さま ねえ 私ここで しゃがみこんで頭をガンガン鉄の柵にぶっつけてる どうやって死のうかと考えながら 生きるすべがありそうでない でも泣けたということは生きてるしるしなの どうして死なないんだろう 初めて会う人にもきいてしまいたい どうして食中毒になったり 轢き逃げされたり 砒素が手に入ったり できないのだろう 誰からもかえりみられないまま 束の間すべてがばら色だった時は過ぎ去って 死を考えない時が今はない 明日からどうやって時を過ごしたらいいのか まったく宙ぶらりんでわからない 泣いた後 2回繰返して聴いた沖縄の歌 けれど翌朝も まるで動物のような声でうなり 2時間人間であることを忘れた 出会う人すべてに 多く期待し過ぎていますか 一人の時はどんなに死を考えてもかまわない でも人の前では絶対にそんな気配を感じさせてはならない 何が起きるか 誰と出会うか わからない不安と楽しみ ことしの暑中見舞いだって 最後になるかもしれないし 暑さを楽しむように さかんに咲くさるすべり 私は誰からもどこからも遠い 近づくのがむずかしい? おそろしい? 勇気を出さなければ 桃色に咲くさるすべりの不思議の中で 私の不思議の中で 生きることが喜びかもしれない そう少しでも思えるのは いつどんな時だろう 私に私を教えて 私に世界を教えて 思いがけない風が吹いてくる 8月の窓辺 死も生もないさめたまどろみ 大切でないものはない 私のほかは 自己否定の真実 やさしさよりも 時には厳しい導きや 助けや救いが欲しい こんな私だからこそ カレーレストランのインドの人や 花をくれたハワイの人に 人生をもう一度教えて欲しい ことわざも格言も 小説も批評も 言葉の中に救いは見つからない ピアノの音色 シタールの響き どんなに暗く沈んでいる心にも 一条の光をさしてくれる 多過ぎる 本も思い出も 自由になるために よけいな言葉を捨てたい 涙と笑顔で人とつながりたい よけいな言葉を捨てて このまま眠ってもう目を覚まさない そんなことを思い描けるから 夜が幸せ やっと今日が終ってくれた ジンで睡眠薬を飲む 真夜中 これが幸せの最高点だ 起きたくないのに起きてしまった 憎みたくないのに憎んでしまった しずまらない頭痛やおさまらない吐き気のように 心病みたくないのに病んでしまう 4時 こっそりとレゲエを聴く きっかけも話題もつかめず うなづいたり首を横にふるだけ 時には決して歯を見せない笑顔を浮かべることもあるけれど 幸せと元気 私とほど遠いものを 一面にふりまかれて 戸惑うだけだったきのう 来た手紙は テストの結果が最低ランクだったことを知らせてきた 話題もきっかけも失い 立ったりすわったりするだけ 失い尽くしたと思っていた自信の上に まだ失うものが残っていた これで今度こそ底をついただろうか いつでも死ねると思うから 今すぐと急がないだけで やはりいつも死は考えている それが慰めなんだもの でもその前に 不思議なインド人の店で おいしいチャイと くつろげる歌を もう少し楽しんでから 世界中の魔物よ妖怪よ 来れ この窓辺へ 網戸ごしに 入れるものなら入っておいで そして私の肩にお乗り いっしょうけんめいやることが ことごとくだめなのは 私の上にもう居場所を決め込んだ魔物のおかげ 仲良くお礼を言うべきか 泣きながら頼むべきか 世界中の魔物よ妖怪よ 来れ この窓辺へ なに? だれ? どこ? いつ? なぜ? すべての疑問符に今 目もくらまんばかり 気も狂わんばかり 愚かな私のぬけがらが真夏の空を飛んで行く ここにいる私がぬけがらじゃないのは 懺悔と祈りとつぐないによってしか証明できない スペインの宗教画の聖母の表情が いつか私も浮かべられるようになるだろうか 夢じゃない 私以外のものすべてに神が宿っているのが見える 今だけじゃない 今日だけじゃない ずっとずっとそうでありますように 幸せになろうとするのはもうやめた けれど あなたは幸せでありますように そう誰にでも何にでも つぶやきつづけよう 空にも風にも ありがとう うれし涙を心にふくらませて 悲しんだから苦しんだから 生まれ変わった 過去は未来に星のようにとける まちがいでなく 幻でなく 勘ちがいでなく 思いこみでもなく 細胞のすみずみまで 心の奥深くまで 生まれ変わらせてください 変身させてください 季節が変わるように 夜が来て夜が明けるように ほんとうの心の美しさが今わかる気がする 何もないけど何も欲しくない けれどすべてに感謝ができる 風 太陽 野菜 絵 音楽 お茶 人 夜 木 それらのほんとうの美しさも今わかるような気がする 避けていたものを 喜び 感謝して 受け入れる それはやさしさ その勇気 それだけの それほどの勇気を 静かな夜からもらうのです 夜は私を無にしてくれる こころよい無に 今ここにいる その他に何がうらやましいの 裸で一人で 世界を愛せる そんな夜を知った時から あるがまま 何もくらべずに 冷たいパンプキンスープを飲んだ昼過ぎに にわか雨の訪問を 音を立てて迎えるガラス窓 降りこむ雨に腕をぬらしながら 童話とラジオの音楽にふける 濃いコーヒーにミルクを入れて飲んだ夕方に にわか雨の去った町へ 元気を出してとつぶやく坂の上 音楽のような夏の雨 休息を 人にも花にも太陽にも天使にも 雨が上がるように 心が晴れたらば 明るい未来という言葉も となえられる 自分のいちばん美しい笑顔を想像してみよう やさしくなれば 感謝をすれば 今していることが何もつらくない すべてを喜び すべてを楽しめば 今このままが何も苦ではない ひまわりを見て 風に吹かれ 桃を食べ 何もつらくない 何も苦ではない この感じがひたすらうれしい 桃を食べるのと 数学を解くことは 同じではない けれどどちらも風に吹かれながら窓辺でできる そしてどちらも私の明日を少し明るくしてくれる 風が空が なんだか甘い 散歩に出てみようか 名もない花に素直になって 私に足りないものを足りないとわからせてくれる やさしさは元気から出てくるの 私には元気が足りない 意地を張らずに認めなさい そして元気になろうね そしたらもっとやさしくなれるよ 思い願うよりもっと もうすぐ出る月を迎える 風が空が 名もない花が カフェオレと風 都会から離れて 見た笑顔 聞いた言葉 涼しい日は流れがよく見える 静かに思い出そう あの笑顔 あの言葉 これからはもう ずっと流れを見ていたい 助け合ったことがなかったね 今夜告白するけれど 太陽と花のように 風と木のように 太陽がほしい 風がほしい 花を咲かせるために 木の葉そよがせるために どこにあるのか教えてくれないね 探すヒントを与えてくれないね 今夜告白するけれど 私は助け合いたい だけど助け合い方を知らずに来た すべてのものが力になる すべてのものを生かしてゆける この世のすべては糧になる だから何も恐れないで 何も疑わないで 力を養って 流れを見つめて 未来に期待も不安もなくなる時と場所 夕陽が壁にさしている 洗濯物をとりこんで お米を洗い 庭に水をまく その前 飲んでしまったコーヒーのカップをとりあげる その前 もう少しこうして静かにすわっていたい時と場所 秋のような夏の日に 安心と淋しさと でも永遠につづく今はない 今はいつかにつながる いつかがいつになろうと こころよく受け入れる心の準備をしよう 探すために生まれてきたの? きっと探しても見つからない 探すのをやめた時にそこにあるのがわかるんじゃないかしら 答のない問いの中から 美しいものを集めた博物館 不思議なものを見るような目を 広いやわらかい空に向けよう みなさん踊りましょう 原子のレベルで みなさん笑いましょう DNAのレベルで 私は決してにぎやかではないけれど 愛のダンスを踊りたい 天使とも悪魔とも 決して人付き合いがうまくはないけれど 愛の微笑み浮かべたい 天使にも悪魔にも 世界がある いろんなものがいる それがわかる いいなと思う 世界中のひとつひとつのものを ちゃんと見て ちゃんと聞いて ちゃんとさわって にっこりする 美しいものは安心する 何にでもそれぞれの美しさがあるなら それを見出せる心をもちたい そうすれば世界中が安息の地になるのだもの 逆らわない 争わない 憎まない この三つを常に守ること 言いかえるなら みとめる ゆるす あいする この三つを常に守ること そしてすべてが美しく見えますように 死っているものが知らないものに見える その夜 祈っても祈っても眠れない そして雨の音 心をもう騒がせないで 見るものに会う人に また心を揺らさないで 夜が明けた 雨が上がった 空は美しいよ 心の暗くよどんだ池から 一輪の蓮の花が その花に口づけしたい そのためには無にならなければ 過去も未来も 正も邪も 露のように空に消えて 愛だけがあふれる無に 放浪があった 修業が始まる 美しい光とともに輝く時に近づくことを祈ろう ある朝ベランダから すずめより小さい小鳥が私の部屋に迷い込んできた 誰かが言った 幸せの前触れだと また空へ帰っていったうれしそうな後ろ姿が目に浮かぶ 四ヶ月かかった すべての過去を宝と思える気持ちになるまで 新しい未来の準備にも たっぷり一年かかるとすると あと八ヶ月ある あせったら自己嫌悪になる 喜べば自分を豊かにできる 空白 秋空 昨日のカフェオレといい 今日のチャイといい 午後のお茶のおいしい季節 うまくいかないけど ささやかな幸せはいろいろある ほんとにうまくいかないけれど もう全然だめじゃない 夕立の後の夕焼け やさしい季節のやさしい時間
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