『秋雨』 


秋という季節は、よくよく人に何ごとか語りかける。

暮れ方の傾きかけた陽の残照もそうだし、

人気ない野に吹く風は、なぜか心の中をすり抜ける。

翻り、草や花や蜘蛛の巣までに垂れかかり、

いつまでも留め置かれる、秋の雨は、いっそう清々しくさえある。












写真と文:村上 馨 (2004年9月 路傍にて撮影)


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